フジ合成コラム 09|トラブルシューティングガイド 2025.04.03 2025.05.28 光硬化樹脂の使用時に発生する可能性のある一般的な問題とその解決策について紹介します。 9.1|未硬化・硬化不良 症状:表面がベタつく、内部が柔らかい、指で押すと凹む 原因: 光強度が不足している 照射時間が短すぎる 酸素による重合阻害(特にラジカル重合の場合) 光開始剤の濃度が低い 樹脂の厚みが光の浸透深度を超えている 対策: 照射時間を延長する、または光強度を上げる 光源の劣化を確認し、必要に応じて交換する 窒素ガスパージや不活性ガス雰囲気下で硬化させる 光開始剤の濃度を適正化する 多層塗布で徐々に厚みを増していく 9.2|収縮・反り 症状:硬化後に寸法変化や反りが発生する 原因: 重合収縮(モノマーが結合すると体積が減少する) 硬化ムラによる内部応力 基材との熱膨張係数の差 対策: 低収縮タイプの樹脂を使用する 充填材(シリカ、アルミナなど)を添加する 段階的な硬化(低強度で形状固定後、高強度で完全硬化)を行う 硬化後のアニーリング(緩やかな加熱・冷却)処理 9.3|接着不良 症状:基材から剥がれる、はじく 原因: 基材表面の汚れや油分 樹脂と基材の相性(極性の違いなど) 収縮応力による界面剥離 対策: 基材表面の洗浄(溶剤拭き、プラズマ処理など) 適切なプライマーの使用 接着性の高い樹脂タイプを選定する サンドブラストなどで基材表面に粗さを付ける 9.4|黄変・変色 症状: 時間経過とともに黄色く変色する 原因: 紫外線による劣化 光開始剤の分解物の色素化 熱や酸化による劣化 対策: UV吸収剤や光安定剤を添加する 非黄変型の光開始剤を使用する 芳香族系よりも耐黄変性の高い脂肪族系樹脂を選択する 酸化防止剤を添加する 9.5|表面欠陥 症状:クレーター、ピンホール、オレンジピール(皮肌状の凹凸) 原因: 塗布ムラ 空気や溶剤の気泡混入 表面張力の不均一 粉塵やゴミの混入 対策: レベリング剤を添加する 塗布前に脱泡処理を行う クリーンな環境で作業する 適切な粘度に調整する 9.6|経時劣化 症状:長期使用により物性低下(亀裂、変色、強度低下) 原因: 光や熱による分解 水分や薬品による加水分解 酸化劣化 対策: 適切な安定剤(酸化防止剤、光安定剤)を添加する 使用環境に適した樹脂タイプを選定する 保護コーティングを施す トラブルが発生した場合は、これらの原因と対策を参考にして問題解決に取り組んでください。難しい場合は、樹脂メーカーやプロセスの専門家に相談することをお勧めします。 フジ合成コラム 08|持続可能な開発への取り組み 10|光硬化樹脂の種類比較と選定ガイド